AIDEC
AIDEC MODERN
THONET
COR
VIENNA
Bugholz




Member
Fabric
Business User

Search by

Category

Designer

Situation

Free Word



詳細検索


曲木の発明



No.7001
モールド(曲げ型枠)の説明図
18世紀初頭、動力機械の発明が生産技術に画期的な飛躍をもたらした産業革命ですが、なかなか家具製造業までには浸透しませんでした。そうした中で、ドイツ・ボッパルドに生まれたミヒャエル・トーネットは、19世紀初頭、蒸気によって木を曲げるという画期的技術を家具製造業に取り入れ、効率的な生産方法を確立したのです。

ミヒャエル・トーネット
当時のドイツやオーストリアでは、「ビーダー・マイヤー」と呼ばれるカーブを描いたシンプルで実用的な家具が、その頃台頭してきた中産階級に好まれていました。しかし、無垢の木材から曲線や曲面を削り出し、その上に薄い突板を貼るという従来の製法は、あまりにも原始的で非効率的なものでした。そこでトーネットは、2〜4mmの薄板を膠(にかわ)を溶かした湯で煮て軟らかくし、この薄板5〜10枚をモールド(曲げ型枠)に挟み込み、曲げ加工をして乾燥させるという技術を編み出したのです。これは現在の成型合板の原型となりました。

蒸気釜で蒸しているところ
トーネットはさらに、無垢材を曲げることで作業効率をはるかに向上させました。普通、厚みのある無垢材を曲げると、外周部分に限界以上の張力が働き弾けてしまいます。しかし、外側に同じ長さの鉄帯を当て両端を固定すると、外側はそれ以上伸びずに内側だけが圧縮されるため、弾けや亀裂がおこらないのです。この木材には、ヨーロッパ各地で入手でき、曲げやすく、安価で安定した供給ができるというブナ材が最適でした。しかもこれらはノックダウン(分解)方式で出荷されるため、効率的な大量輸送が可能でした。


ノックダウンしたパーツ

36脚分が入ったアクリルケース
1859年、No.14の第1号が完成しました。フォルムの単純さと生産性のよさで、その後70年間に5000万脚を売上げ、それは現在も続いています。それはマス・プロダクションの始まりともいわれ、今では永遠のデザインと呼ばれています。翌年の1860年には、曲木による初めてのロッキングチェアNo.7001が完成します。これは曲木の曲線の美しさと機能性を最大限に発揮し、多くの人々に愛されました。
こうして「軽く、丈夫で、美しく、しかも安い」椅子を完成させたトーネット社は、良質なブナ材の産地である東欧各地に工場や直営販売店を持つまでに成長します。1920年代にはバウハウスの建築家たちにより、スティールを用いたカンティレバーチェアが開発されますが、“曲げる”という技術や開発精神を持ったトーネット社に白羽の矢が立ち、ほとんどのモデルを試作していました。

順調に成長してきたトーネット社ですが、第2次世界大戦の影響は避けがたく、東欧各地の工場は旧共産圏の国々に接収されてしまいます。それでも、ドイツ・フランケンベルグの工場は戦後少しずつ生産を再開していきます。戦前、各生産工場の管理体制の違いにより、フォルムが各地で微妙に異なっていたNo.14を、最も美しいと言われる現在の洗練されたフォルムにリデザインし、1960年にNo.214として再生産を始めました。長く培った技術力と整えられた管理体制の下、それらは非常に高いクォリティと美しさを保ち、巷に数多くあるトーネット社製以外の曲木とは一線を画しています。時代の流れとともに、トーネット社でも曲木の種類は厳選され、近年では成型合板や金属を用いた製品が主流となっています。しかし今も尚、時代を超えて変わらぬ美しさを放つ曲木の椅子は、ミヒャエル・トーネットのひらめきと努力を伝え、常にトーネット社の指針となっています。

トーネットのポスターカタログ

No.14


Back

© 2012 AIDEC Co., Ltd.