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THONET社とバウハウス カンティレバーチェアー編
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トーネット社は、1819年ドイツ・ボッパルトでの創立以来、多くの曲木の家具を世に送り出し、"THONET"は曲木椅子の代名詞として使われるほどになりました。しかし、単に曲木の椅子だけを生産してきたのではありません。その時代その時代の建築家、デザイナーとともに常に新しいかたちを世に送り出してきた歴史を持っているのです。
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バウハウス校舎
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1919年にドイツ・ワイマールに創立されたデザイン総合造形学校バウハウスとの共同開発もそのひとつです。1933年、バウハウスはナチスの弾圧により閉鎖されましたが、教育という枠を超えたその精神は今もなお受け継がれ、多くの建築家やデザイナーたちへ多大な影響を与えています。その研究・教育過程の中で、素材自体が持つ能力を最大限に利用する方法が唱えられましたが、1926年に生まれたカンティレバーチェアはまさにそれを体現しています。
デザイナーの新しい発想と、スティールという新素材の出会いによって生まれたカンティレバーチェアは、今でもトーネット社の定番として親しまれている商品です。「空気の上に座る」というコンセプトのもと、マルト・スタム、マルセル・ブロイヤー、ミース・ファンデル・ローエら20世紀初頭の著名なデザイナーや建築家によって多くのデザインが発表されました。それらの試作のほとんどが、トーネット社により仕上げられたものです。


マルト・スタム
1899~1986
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マルセル・ブロイヤー
1902~1981
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ミース・ファンデル・ローエ
1886〜1969
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1926年マルト・スタムが最初に発案したカンティレバーチェアの原型。
パイプは曲げ部品のエルボによってジョイントされていた。

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S33
(現在のトーネット社製)
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また、バウハウスのデザイン開発のパートナーであったことが、技術的な飛躍を促しました。当時としては難しかったスティールパイプを直角に曲げるという技術に挑戦したことについては、得意としている「曲木技術」と共通の要素があったためとの見方もあります。しかし、なによりも社会の要求を敏感に感じとり、常に新しい在り方を求めるトーネット社の精神が、バウハウスの若き建築家やデザイナーとのパートナーシップに大きく影響したと考えられます。
なお、カンティレバーチェアのうちS32/S64に関しては、マルト・スタムとマルセル・ブロイヤーの間でどちらがその発案者であるかを巡り裁判が行われ、スタム側が勝訴した経緯があります。現在、ドイツの本国では、カンティレバー構造の発案者はマルト・スタムであり、カンティレバーの背と座に籐を張ったデザインはマルセル・ブロイヤーであるとの見解が有力です。
参考文献
MARCEL BREUER:
Furniture and Interiors/The Museum of Modern Art
STUHLE AUS STAHL/Verlag der Buchhandlung Walter koning
Ein Stuhl macht Geschichte/Bauhaus Dessau Prestel
DEUTSCHE STAHLROHR MOBEL/Bangert Verlag
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1927年当時のMRチェア
カンティレバーチェアの名作と呼ばれている
ミース・ファンデル・ローエによるデザイン

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S533RF
(現在のトーネット社製)

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1927年当時のB32
マルセル・ブロイヤーによるデザイン

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S32
(現在のトーネット社製)

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1927年当時のB64
マルセル・ブロイヤーによるデザイン

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S64
(現在のトーネット社製)

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